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これからどうする、どうなる!? アメリカで!

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産業スパイだと疑われた私

「お猿さんでもできる仕事」を新入社員研修、営業研修などもはさみながら、約2ヶ月ほどやった私だが、1年の予定で来ているから、あと残り10ヶ月と思うとさすがに「こんなことやりにアメリカまで来たんじゃないゾ~」という気になってきた。

これからアメリカで働くという方がいたら、覚えておいてほしいのだけれど、黙っていたら、それは満足していると受け取られる。 日本のように“秘すれば花”なんてことはないし、上司、同僚があなたの満足度を推し量るなんてことももちろんない。 なにかしら改善したい、あるいは改善して欲しい部分があったら、きちんと一つ一つ表現していかないと事態は好転しない。 その時に大切なことは文句にならないこと。 アメリカ人は文句をよく言うくせに、文句を言われる立場になるのをすごく嫌う。 社会人としてふさわしい言葉使いに加え、感情的にならず論理的に話を進めるのが肝心だ。 この辺はTV番組だけど、『The Apprentice』の山場である会議室でのやりとりを見たことがある人には納得してもらえるのでは、と思う。

そこで、私は口で表現するのはきっとうまく行かないと思い、手紙という形で私を担当していた人事の人に渡した。 まずはアメリカにやって来た理由に始まり、受入企業への感謝の気持ちから、その受入先企業で何を学びたいか、また彼らが私に何を期待しているのか明確にしてほしいという要求、残り10ヶ月の間に私がやりたいことと成し遂げたいことを箇条書きにしたんである。 ここで私は重要事項は必ず紙に残しておくという鉄則を学んだ。 とかくいい加減なところがあるアメリカ人は忘れっぽい。 後から「○○って言った。」と主張したって屁のかっぱである。 しかし、書かれたものがあればそれを見せるだけで話が終わることが多い。

私が書いた“手紙”は私が予想していた以上に即効果があった。 提出してから2日以内に販売担当部長(当時は3人いた)にその手紙のコピーが渡り、その3人の代表の部長に私は呼ばれ、一緒に私の今後を検討してくれた。 そして30分もしない内にロサンゼルスへの1週間の出張と3日間シカゴで年一回開かれる業界では世界最大規模の見本市への参加が決まり、新しく就任した輸出部部長と会い、その日のうちに輸出部配属となったのである。 恐るべし、手紙の威力!

私がなぜ2ヶ月もの間「お猿さんでもできる仕事」をするはめになったかと言うと、例の3人の代表の部長が私が渡米する前から当時の輸出部部長に私の受入を要請していたのだが、その輸出部部長と部下一名(女性)が拒否し続けていたから、と後から聞いた。 その理由が笑える。 私は日本で同じ業界で働いていたから、「インターンシップが終わったら、彼女は元の会社に戻り、ここで得た情報を横流しする産業スパイに違いない。」と言うんである。 全く笑止千万。 私は会社を辞めて、インターンシップ斡旋業者に高いお金を自分で払って来ているんである。 もし情報を横流しするにしても、私を外資系に異動してくれなかった会社になんかするかっちゅーの。 他にも理由はあったのだが、この輸出部部長は私の件が引き金となりクビになったらしい。(ここがアメリカの恐いところ。) そして、もう一人の“陰謀首謀者”は残ったのだが、彼女はその後ずっと、私の“目の上のたんこぶ”的存在となるのである。
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by soylista_y_bonita | 2005-01-29 17:53 | アメリカで働く